民法の学習を始めて1週間 実は簡単なんじゃないかと思い始める

今週から民法の学習に入っています。最初はちんぷんかんぷんだったのが、何度か見ていくうちに畏れ多くも簡単な気がしてきました。

というのも、民法というのは人と人との関わりについて定めた法律であって、訳のわからんような定めは基本的にありません。

・何か問題があれば、その原因を作った人が責任を負うべき
・弱者は保護されてしかるべき

みたいな、道徳的に普通に考えて当たり前というものを書き連ねただけのもの、それが民法だと僕は理解しています。当たり前なんだから一々覚える必要もなく、考えれば答えを導き出せます。「人を傷つけることの何が悪い?」「法律がなければ男はみんなレイプする」みたいなことを本気で思っているサイコパス気質の人にとっては、考えても答えを出せないかもしれませんが。しかしこんな人は少数派だと思うので、多くの人にとっては難しくないはずです。

いや、民法そのものが簡単だとは言いません。例えば自分の今の勉強で司法試験の民法に対応できるかというと、ほぼ無理だろうと思います。

しかし、こと法律系資格の入門編に位置する行政書士試験に関しては、まあいけるんじゃね?と、今のところの手応えとしては思っています。

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覚えなければならない部分はある

もちろん、考えるだけで全て対応できるというものでもありません。

例えば、

保佐人は、民法が定める被保佐人の一定の行為について同意権を有するほか、家庭裁判所が保佐人に代理権を付与する旨の審判をしたときには特定の法律行為の代理権も有する。

行政書士試験 2020年問27

という選択肢が妥当なのか誤りなのか判断しようとしても、「保佐人」とは何ぞや?「同意権」「代理権」とは?というのが分かっていないと判断のしようがありません。僕も初見だとちんぷんかんぷんでした。なので、これらの言葉の定義は覚える必要があります。

ちなみに保佐人とは、事理を弁識する能力が”著しく不十分”で保佐開始の審判を受けた人(=被保佐人)の保護者の事です。

同意権については、被保佐人が特定の法律行為(民法13条1項に10個ずらずらと書かれています)を行う場合に保佐人の同意が必要となり、この場合の保佐人の権利のことです。

代理権については、被保佐人の法律行為を保佐人が代理する権利(代理権)は基本的にありませんが、家庭裁判所の審判によって保佐人にこの権利を付与することができます。

ということで、上記文章は「妥当である」という事になります。

覚えるべき部分を覚えたならばあとは当たり前に考える

また例を挙げます。

男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳とする旨の会社の就業規則は、経営上の観点から男女別定年制を設けなければならない合理的理由が認められない場合、公序良俗に反して無効である。

行政書士試験 2018年問27

この就業規則、説明するまでもなく性差別です。こういうのが普通という時代もあったのかもしれませんが、少なくとも今の感覚ならば考えるまでもなく無効となるのは当然だろうと分かります。実際、そのような最高裁の判決(最判昭56.3.24)がありますが、判例を確認するまでもなく当たり前の事です。ここで判例を確認して、こういう判例があったと覚えようとするのは、はっきり言って脳のリソースの無駄遣いです。

覚えるべき部分を誤らないよう

以下の問題についてです。次は問題文全てを引用します。

Aが所有する甲土地につき、Aの長男BがAに無断で同人の代理人と称してCに売却した(以下「本件売買契約」という。)。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1.Aが死亡してBが単独相続した場合、Bは本人の資格に基づいて本件売買契約につき追認を拒絶することができない。

2.Bが死亡してAの妻DがAと共に共同相続した後、Aも死亡してDが相続するに至った場合、Dは本人の資格で無権代理行為の追認を拒絶する余地はない。

3.Aが本件売買契約について追認を拒絶した後に死亡してBが単独相続した場合、Bは本件売買契約の追認を拒絶することができないため、本件売買契約は有効となる。

4.Bが死亡してAが相続した場合、Aは本人の資格において本件売買契約の追認を拒絶することができるが、無権代理人の責任を免れることはできない。

5.Aが死亡してBがAの妻Dと共に共同相続した場合、Dの追認がなければ本件売買契約は有効とならず、Bの相続分に相当する部分においても当然に有効となるものではない。

行政書士試験 2016年問28

問題がよくわからない場合は、野原家を想像してみてください。しんのすけ(B)がひろし(A)とみさえ(D)に黙ってひろし所有の自宅を他の誰か(C)に売却してしまった、という話です。

最初に正解を言ってしまうと、妥当でないものは3になります。

この問題の論点は「無権代理人を相続した場合に追認を拒絶できるのかできないのか」という点です。唯一3だけは違うんですけどね。

3については、Aが追認を拒絶した時点で契約は取消しになっているので、その時点でBは無権代理人でも何でもなく、その後Aが死亡しても追認もへったくれもありません。

さて、これら5つの選択肢全てに判例があるので、それを1つずつ覚えていくのか?なんて無駄なことはしないように。仮に丸暗記したとして、もしひまわり(E)が絡んできたら対応できません。

これら5つの選択肢を見ると、ある法則が見えてきます。それぞれの判決をした裁判官も別のはずですが、その根拠となる考え方があるはずで、それを見つける必要があります。この問題について言えば、

1.本人は拒絶できるが、無権代理人は拒絶できない(言い出しっぺなので当たり前)
2.本人を相続した人は拒絶できるが、無権代理人を相続した人は拒絶できない(この拒絶できない呪いはかなり強力)
3.唯一本人だけは2の呪いを無効にできる(本人を相続しても打ち消せない)

これを抑えておけば、ひまわりが出てこようがひろしの隠し子が出てこようがどんなパターンでも対応できます。

なので民法学習の肝は、この法則を見出す事にあると考えます。

まとめ

覚えるべき部分を見誤らないようにすること、判例についてはそう判断するに至った考え方を理解する、この2点を抑えながら学習すれば、きっと難しくはないだろうと思います。

民法に関して言えば、条文全てを覚えようとするのも無駄だと思っています。判例だけでなく、条文についてもできた背景というか考え方があるはずなので、どちらかというとそこを読み解くようにするのが重要かと。なので別冊六法の条文を1から読み込むようなことはやってないし、今後もやるつもりはありません。

もし民法を難しいと感じるのであれば、上記ができていないのかなと思います。考え方を見出だせずに記憶力でゴリ押しするとか。このような勉強をしていると、応用が効かなくなる上に海馬がオーバーフローすること請け合いです。

とは言え、自分はまだ総則をやり終わったところです。これから民法のメインとなるであろう物権、債権、家族法に入っていくので、それによっては今後謝罪と訂正のエントリーを書く事になるかもしれませんw

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