民法の「停止条件」と「解除条件」はなぜ分かりにくいのか

この部分、行政書士試験ではあまり重要ではないらしいです。ネットで検索すると不動産関係での情報が上位に出てきた印象なので、宅建試験では重要なのかもしれません。

ということで僕にとっては無駄なこととは思いながらも気になってしまったので、まとめてみました。

停止条件とは、条件が成就することで効力が発生する場合における条件のことです。例えば、二十歳になったらお祝いをあげるというような場合です。

解除条件とは、条件が成就することで効力が消滅する場合における条件のことです。例えば、二十歳になったらお年玉はやめるという場合です。

そういうものだと思って次に進めばいいものを、この用語の名付けにどうしても納得がいかない僕は調べましたよ。そういうところが要領が悪いと言われる所以です。

Contents

用語の名前と理由について細かく見ると

1.停止条件について

停止条件とは、現時点では効力がまだ発生していない状態での条件のことで、その条件が成就するまで効力が停止されているような場合だそうです。

上の例で言えば、十九歳時点ではまだお祝いをあげるという効力は発生していません。まだ停止されている状態です。そして二十歳になったら、その停止が解かれて効力が発生します。

というわけで停止条件という名前になったようです。

2.解除条件について

解除条件とは、現時点ですでに効力が発生している状態での条件のことで、その条件が成就することで効力が解除される場合だそうです。

上の例で言えば、十九歳時点では毎年お年玉をあげるという効力が発生しています。そして二十歳になったらその効力が解除されて消滅します。

というわけで解除条件という名前になったようです。

分かりにくさの原因

なるほどねぇ、そんな理由でこういう名前になったのか・・・

って納得できるかっ!

停止条件の「停止」というのは条件成就を見ています。

一方、解除条件の「解除」というのは条件成就を見ています。

対になるような用語なのに、その言葉の表現する位置(場所、時点)がそれぞれ異なっているために、どちらも同じような止まるイメージを持つ用語になってしまった。というのが分かりにくさの根本原因だと僕は思っています。だって、「二十歳になったらお祝いをあげる」「二十歳になったらお年玉はやめる」って、条件として難解なところは何一つないでしょ。これが、「前者は停止条件、後者は解除条件と言う」なんて説明がついた途端に分かりにくくなるのです。

この論法ならば、停止条件は条件成就までは効力が停止された状態だから停止条件、解除条件は条件成就後には効力が停止された状態になるから停止条件、というのも通るはずです。しかしこれだと区別が付けられないから、後者は停止じゃなくて解除と言っておくか、てな感じで安易に考えた結果この用語ができたのではないかと思えてきます。言葉を無理やり変えるのではなくて、言葉の元になる前提を揃えろよと思います。

『条件が成就することで効果が発生するものを「停止条件」という』という説明の、『効果が発生する』と『停止』という言葉が全くシンクロしていないのもモヤる部分です。『条件が成就することで効果が消滅するものを「解除条件」という』の『効果が消滅する』と『解除』はまだ似たようなイメージの言葉で同期が取れています。

ということで不肖私めが新しい用語を提案してみます

条件成就前の状態を見るのであれば、

停止条件 → 停止条件
解除条件 → 実効条件 or 既発条件

条件成就後の状態を見るのであれば、

停止条件 → 発生条件
解除条件 → 解除条件 or 消滅条件

とでもしたほうがまだ分かりやすいと思います。上の用語は今ぱっと思いついたものを書いただけで、もっといい名前があると思います。個人的には、条件が成就したことでどうなるのかを表した後者のほうが分かりやすいと思います。

もう自分が独自に作った「発生条件」「解除条件」で内容を理解した上で「でも発生条件は一般の法律用語では停止条件という」と覚えておいたほうが頭の中にすんなり入ってくる気がします。

法律を勉強するというとは

この用語を作った人間は頭がいいのか悪いのか、もはや僕には分かりません・・・

法律を勉強するということは、このような素人には理不尽としか思えないものを乗り越える作業なのかもしれない、と思っています。もしかしたら、みんなおかしいとは思いつつも、もうこれで定着しちゃったし今更変更するのも面倒だという事かもしれません。

ちらっと見たところによると、プロの宅建士でも間違って使っている人がいるとかいないとか。そのような状態を野放しにしておくよりも、ここである程度の労力を払ってでも思い切って変えてしまった方が後々楽な気がしてなりません。

しかし一方で、このような用語になってしまったのには、素人には理解しようもない海よりも深い理由があるのかもしれないとも思ったり。

こんなどうでもいいような話をまとめていたので勉強が進まなかったわw今後もこのような理不尽がいくらでも出てきそうですが、その時はまたネタにしようと思います。

タイトルとURLをコピーしました